People of birds....


めぐるスケッチ




「私は鳥の民が嫌いなの」
美しい青い瞳の女性はそう呟いた。
「恋人も兄も鳥の民に魅せられて帰ってこなくなったわ」
彼女の兄は英国で有名な「鳥の民」に関する研究本をだした。
その命とともに…。

「私は、鳥の民を憎むわ」
女性が見せた彼女の兄が綴った鳥の民の肖像やスケッチは愛に満ち溢れていた。

ひたむきに恋人を愛する鳥の民。興味が沸いてしまう。
「ねぇ、あなたは違うわよね」
学者としての興味しかない…と答えた。
「ほら、あなたも鳥の民に魅せられた。行ってしまうのよ」
皮肉げに笑うレディはそのスケッチを置いて去っていった。
俺はスケッチをしまい込んだ。そして女性を追いかけた。


―数年後


子供がひとり、引き出しを漁る。
「ギータ、子供はどこにいった?」
「あなたの部屋で見かけたわ」
俺は子供を追いかけて部屋に入る。子供はすでにいなかった。
庭で熱心にスケッチを見る子供を見て、ため息をついた。
ほんとうは、俺も鳥の民に会ってみたかったのだ。
「おもしろいか」
「うん、この人たちは本当にいるの!?」
「鳥の民、という。本当にいるいまもどこかに」
「いつか会いたいな」


幸せそうに子供はそう囁いた。



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